2016年8月8日月曜日





きみたちはいつも岸から眺めて、天外伺朗bot『川とはこういうものだ』なんて議論しているが、実際はせいぜい水面しか見ていない。
だが本当は、川の中で泳ぎ、魚と一つになって初めて、川の深さがわかるんだよ。・・・」「ノブくん、それは今日の水や。ノブくんは、水はいつも同じだと思って飲んでいるから、ただの水だと思ってしまう。でも、それでは水に出会ったことにならないんだよ。
 ほら、窓の外を見てごらん。山の上に雲がある。その水は、はるか昔に雲から地上に降ってきて、地面にしみこんだ。そして土の中を長い時間をかけて通り、大地のエネルギーを全部集めて、水道管にたどり着いた。今日ノブくんに飲んでもらうために、遠い旅をしてきたんや。
 ノブくんは大急ぎで蛇口をひねったから、たくさんの水が全部流しに流れてしまっただろ。そのコップに入った水は、ノブくんが蛇口の下にコップを差し出したとき、たまたま中に入った、ノブくんと本当に縁のある水なんや。それを意識しないで飲むのは、水にかわいそうや。いつくしんで飲まなければいけないよ。」